原発避難163「避難6年を前にした冬の一時帰宅」2017/01/12 13:09


年明けに家族で福島の自宅へ一時帰宅して来ました。
暮れに予定していたのですが一緒に行く家族が一人インフルエンザにかかってしまい5日間の外出禁止になったため新年の第1週目に延期されたのでした。
今回は家族の健康も天気も良好な状態で福島へ向かえました。
年が明けてみると原発過酷事故避難6年が目の前に来ていることを実感させられます。
去年は3月と10月の2回一時帰宅しました。大体年に3回くらいずつ6年間で行った感じです。いつも一時帰宅では家の様子をみたり少し掃除をしたり帰りにいわきの山の中の静かな温泉宿で慰労会をしています。この機会に各自過去と未来の心の整理を少しだけできていると思います。

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福島の浜通りへは神奈川から東京を通って常磐道を走ります。
東京スカイツリーと富士山のツーショットが初めて撮れました。

利根川

福島へ入っていわきの夏井川

浜通りの同じ双葉郡の広野町にある東電の火力発電所の排気塔が3本聳えています。稼働中です。

常磐道上の放射線量が掲示されています。
広野ー南相馬間で0.4~3.2マイクロシーベルトって出ているのかな?
一番高い数値は原発事故の最もコアな地点の大熊町と双葉町の数値だと思います。

常磐道は結構自動車が走っています。もしかしたら震災、原発事故以前よりも多いかもです。

国道6号線に下りると国道の両側に除染作業で出た廃棄物が山と積み重ねられています。

山の手前は常磐道です。

アユやサケ漁で有名な木戸川

自分の渓流釣りのメインだった井出川

自分の町の近くのコンビニ 去年の4月から営業してます。品揃えは全国のと変わりません。

いつも自宅から見ていた阿武隈高地の山並み まさに故郷の山です。

自宅には12時過ぎに到着しました。いつも311に永久の別れとなった愛猫らくらくのお墓に挨拶します。白梅の下にあります。

するとジョウビタキの雄がひょっこり近くの木の枝に止まりました!挨拶に来てくれたのかな・・♫

こんな間近で見るのは初めて。ジョウビタキはお昼ご飯を食べる頃まで近くに寄り添っていてくれました。縄張りを主張していただけかもしれませんが・・(^^;

ハクモクレンの木の上の青空

モクレンの蕾が膨らんでいました。3月に咲くんでしょうね。

クリスマスローズは強いです。人の手の施しを受けずに6年近く生き続けています。

近くのコンビニで買ったものなどで昼食を摂りました。
家の中は暖房を入れていないので寒く、日当たりの良い外で食べました。インスタントの味噌汁や漬物が美味しいです。

自宅付近からズームで見た太平洋 海までは1.5キロくらいです。この景色は311以前には見れませんでした。なぜなら海の手前に人家が並んでいたからです。それが津波で全部やられました。

自宅池 ここにイワナとヤマメが棲んでいました。今はその姿を確認できません。

日陰には氷が張っていました。

この糞はイノシシのだと思います。311直後は牛の糞が沢山ありました。

ロウバイかな?咲き始めていました。

これは・・たぶん園芸店で買った梨の木だと思います。

モクレンの木に9年前に取り付けた巣箱 まだ壊れていないようです。

沈丁花は蕾を沢山付けていました。

調べたらミヤマシキミのようです。仏前に供える花として山から採取して来て庭に植えたのかもですが、葉っぱ、花、茎、根、種のすべてに毒があるそうです。悪しき実アシキミのアが取れてシキミになったとも言われているそうです。要注意です。
これはピンクの花のアケボノミヤマシキミかもしれません。

退職記念樹のナナカマドです。

ナナカマドの赤い芽です。

カエルの石の置物 カエルの意味が思い意味を持つとは誰も思わなかったでしょう。

庭の白梅の蕾が沢山付いていました。梅干を作ったり、梅酒を作ったりしました。



枝垂れ桜は三春の滝桜の子孫だそうです。

凄く香りのよいピンクのバラが咲いていてハマナスだと思っていたんだけどトゲトゲがないから別のバラなのかな・・。

退職記念樹の白樺 大きくなりました。

主がいなくても木は自然に逞しく育っています。素晴らしいです。

イノシシが球根を探して土を掘り起こしているんです。

これはたぶんイノシシが彼岸花の球根を掘って食べたのでしょう。

お寺の大イチョウと青空

お墓参りをする前に神社に参拝しました。

元朝参りはめったに来れません。



お寺の庭にある柚子の木 沢山実っています。

先祖の墓は家族を見守るように高台にあります。

帰還を諦めて地震で壊れた屋根の修繕をしていない近所のお宅
その先に国道6号線とJRの常磐線があります。国道は仙台まで通行できますが、鉄道が走るのは東京オリンピックが開催される頃かもです。でも原発事故のコアな部分を通るので仙台まで繋がるかどうかは分かりません。
津波が来た時、国道と常磐線に沿って流れている川をこの辺りまで遡って来ましたが平野部に流れることはありませんでした。

自宅から目と鼻の先にある東電の福島第二原発 現在稼働停止中です。この原発も津波に襲われて危機一髪で逃れました。ここが第一原発のようになっていたら帰還の可能性は潰えたでしょう。というか日本は終わっていたかもです。



墓地に咲いていた藪椿の花 藪椿は至る所にありとても大好きな花です。

山にも少し入りました。

竹藪を取り払って綺麗にした森です。ルリビタキが来てくれてました。今回は会えませんでした。

自分の部屋 避難してから一時帰宅しても時間がないので少しも片付ける気になりません。

小さいウクレレを持って来たので20分くらい出発の時間を気にしながら弾きました。
6年近くもいないともう自分の居る空間という実感を持てません。

2時半過ぎに家を出て町の中心部を通って帰ることにしました。
国道6号線に出ると太平洋が見えます。この海岸線は津波にやられました。
右側の濃い緑の森には東電の福島第二原発があります。

津波に襲われた沿岸部の跡地には放射能汚染物質の焼却場が立てられて稼働しています(^^; 巨大な建物で青い海も見えなくなりました。

自分の町にある東電のビジターセンター 津波はこの建物の背後まで迫りましたがその難を逃れました。

新しい建物 除染の駅!

信号待ちでパトカーが横に来ました。

町の中心のショッピングセンターは今閉鎖されています。今年の春過ぎに再開なのかな?この背後まで津波は迫りました。

何を整備してるんだろう?

以前はヨークベニマルやKFCやMcCがありました。
新たに開業したのはホームセンターでした。

消防車が町を巡回して火災が出ないように見守っています。

除染中の町の北部の夜ノ森駅構内です。

除染した土は黒いビニール袋に入れられて積み上げられます。

構内のツツジで有名な夜の森駅です。
バリケードの向こうは帰宅困難区域です。

311の次の日の朝、町民は指示で過酷事故を起こした方へ近づく形で集まったものの埒が開かず、皆自動的に各自避難行動をする形に。西へ続くこの道路は避難する車で大渋滞。反対車線をガスマスクを着けた自衛隊の車が進行して来てものものしい雰囲気に一変、上空を自衛隊の大型ヘリが原発の方へ飛び去りました。最初の避難所となった隣の町まで6、7時間かかりました。その時からもうすぐ6年()

町の北部にあるインターから常磐道へ乗りました。

阿武隈高地からの西陽 一日中快晴でした。

田んぼは自然エネルギーの基地へ。

広い田んぼは放射能汚染物質の置き場になってしまいました。

常磐道の町の山麓部の線量。町の北部のは1.4マイクロシーベルトでした。北部の町中は人の立ち入りを許されていない高線量の帰宅困難区域です。

増え続ける放射能汚染土の黒い袋が広大な仮置き場にあります。

夕方いわきの山の中の温泉宿に到着しました。

昨年の秋にリニューアルしたとのことです。

新しい部屋 両親は高齢者に配慮した特別室に入れて貰えました。

夕食前の寛ぎ

いつもの美味しい料理 忘年会の予定が新年会になりました。

朝風呂は部屋についている温泉に入りました。

戻る日の朝も晴れました。


女将さんが宿の前の川でヤマセミが見れますよと教えてくれたので朝の散歩で探してみることにしました。

最初に現れた鳥はハクセキレイでした。

そしてカワセミが今回も来てくれました!

次にウズラみたいな形の鳥が・・・調べたらコジュケイの群れでした。

コジュケイがいた付近

鳥や釣りを楽しむにはいい場所です。

散歩の後の朝食美味しかったです。女将さんのお母さんの作った味噌を使った味噌汁が美味しくてお代わりしました。福島名物イカニンジンも美味しかったです。

往きは取れませんでしたが帰りには同時に3つもゲットできました。


渋滞もなく午後1時過ぎに神奈川に到着しました。
愛猫のびのびがお利口さんで待っていてくれました。

お昼ご飯はご苦労さん会です。

のびのびも一緒にご飯

夕飯はお粥をいただきました。

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