原発避難51 ~あの日⑦2011/09/02 09:00

愛猫のびのびと首都高を走る。車の速度が落ち始める。アクセルを踏み込んでもスピードが上がらない。ギアーを落としてみる。変わらない。

カーナビの指示通りに走っているつもりが銀座方面ではなく板橋、池袋方面に行っている。間違ったかな・・・。

車の速度が50,40と落ちてきた。周りの車の速度の流れに乗れない。やばいもう20キロくらいの速度だ。ローに落としてからスピードを上げようとしてもできない。ただエンジンの回転数が上がるだけ。ギアが空回りしている感じ。もう車はよろよろ。カーブの坂道だ。登っていかない。本当にやばい。車の横をスピードを上げて他の車が何台も通り過ぎて行く。横に寄せないと。板橋ジャンクションの手前のゼブラ帯に差し掛かったとき車を止めた。

なんだろう?エンジンを再起動させて走らせようとするがエンジンがうなり声を上げるだけだ。もうアウトみたいだ。
地震か?止めている車がめちゃくちゃ揺れている。車の走行で首都高が揺れているようだ。車の轟音。揺れ。のびのびが鳴き始めた。

さてどうにかしないと。とりあえず郡山の避難所にいる兄に電話をした。
車動かなくなった。JAFを頼まないとだめみたい。
いやーもう参った。下痢で隔離された。今なんとか良くなった。JAF入ってないんだよ。郡山にいるしどうにもできないな。
わかった。

妹の旦那さんに電話をした。話を聞きながら表示されている故障内容をチェックする。オーバーヒートではないよう。車を操作して原因を探ってみる。動かない。やはりクラッチ系がだめのようだ。

都内に勤めているキャン友に電話をした。
車が首都高の板橋ジャンクションの手前で動かなくなっちゃった。
JAF呼んだ?
呼んでない。入ってないし・・・・。
じゃ電話番号教えるから。・・・・・・・・。
ありがとう!

JAFに電話した。
JAFの会員ですか。・・・・・・。その場所で待っていて下さい。50分くらいで到着予定です。
時計を見た。午後2時20分。

40分くらい経つとJAFの車が近づいてきた。2人体制だ。よかった!
ひとりが車の安全を警戒。
JAFの方が車を始動させた。動かない。
クラッチが利いてませんね。

猫は車の中に入れたままにしておいてください。ご本人だけこちらに同乗してください。牽引しますから。
車は牽引されて最寄の池袋東から首都高を降りた。
近くにメーカーの店があるのでそこまで運んで駐車します。

車は無事店の駐車場に止められた。のびのびも無事。
店は電気がついていないし人がいる様子もない。
今日は休業日のようですので事情を書いたメモを店に入れておきます。店にはあとで電話して修理を依頼してください。
ご家族が会員になられているとそれで処理できるんですが。調べてみますか?
JAFの会員名簿を会員データにアクセスして調べる。
見当たらないですね。会員になられますか?
はい。
作業代と入会費を支払う。クレジットカードもOKです。
携帯端末でてきぱきと処理している。
次はレンタカーを借りてきてください。サンシャインの近くにありますから。借りてきた車にこの車の荷物を積み替えます。それで終了です。
はい。
何もかもが初めての体験だ。もう時間が4時を過ぎている。
教えてもらったレンタカー屋に向かって急ぎ足で歩き始めた。
















原発避難52 ~あの日⑧2011/09/02 10:20

レンタカー屋で車を借りた。ここに戻りますか?
いえ時間的に無理でしょうから。
じゃ乗り捨てですね。場所は調べてみます。神奈川の・・・・。

車を選ぶ。オートマ車。大きさは・・・・。
オートマ車を運転するのは去年の自動車教習所以来。
乗り捨ての店までカーナビをセットしてもらう。
車の操作を確かめながらスタート。ブレーキとアクセルのかかり加減を覚える。

いわきナンバーなんですね。
そうなんです。原発避難で福島からやって来てこんなになっちゃいました。
大変ですね。手伝いますか?
大丈夫です。直ぐ終わりますから。
と言いながらトランクと後部座席にあった荷物をレンタカーに積み替えた。
そして最後にのびのびが入った籠を横の座席に。

じゃこれでJAFの作業は終了です。店に電話をお忘れなく。お気をつけて!
はい。お世話になりました。ありがとうございました。

まだ移動は終わっていない。のびのびもう少しだから!
レンタカーをスタート。カーナビにしたがって首都高に上がる。
もう夕闇が迫っていた。ライトを点ける。
隅田川から銀座方面へ、浜崎ジャンクションから渋谷方面へ、目黒方面へ・・・渋滞もなく快調に進んだ。首都高を降りる。
ここをずっと進んでいくと神奈川の避難先へあと1時間もしないで到達だ。もうすっかり暗くなっている。信号と断続的なストップ。でもオートマは楽だ。

多摩川を通過。夕方のラッシュが始まっている。
いよいよ最終目的地に到着した。ほっと一息。
レンタカーからまずのびのびを降ろす。だいぶ疲れちゃったかな?でもとりあえず安心。荷物を降ろしてレンタカーを近くのレンタカー屋さんに返して終了。

初日はさんざんだったが、新しい避難先でまた原発避難の日々が始まった。
すぐに福島のいわきから両親も合流。愛猫のびのびとの川の字で寝る落ち着いた生活ができるようになった。

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2週間くらいで車が直ったとの連絡が入った。クラッチ取替えで7万7千円。今はない福島浜通りの自動車販売店の元店長に電話したら、保険の対象にもなりません。しょせんは消耗品ですから。使う人の癖でだめになるんです。早い人も遅い人も。エンジンなんか交換したら大変なんですよって言われた。それだけ。
JAF入会やレンタカー代など〆て11万ほど要しましたが、まずは無事移動できたことと、お世話になった方々に本当に感謝です。

ありがとうございました。ありがとにゃん!




AUGUST 20112011/09/04 08:29

暑い夏。節電の夏。避難の夏。
8月が過ぎ去りました。
暑いけど夏が一番好き。
夏は仕事OFF、遊びONってイメージが小学校の頃から頭に焼き付けられているから。
何歳になっても同じ。

まぶしい太陽。
青い空。白い雲。
水の冷たさが心地よく。
風が気持ちよく。
情熱的な花が咲く。
瑞々しい果物。
気だるい昼ね。
アイスが旨い。
蝉の鳴き声。
冷やし中華大好き。
ビーサン。
麦藁帽子。



夏の演出に欠かせないハイビスカス。暑さに呼応するように咲いています。

お隣さんが育てたかぼちゃ。放射能が降る前の福島の我が家産のかぼちゃの種から育てれてた。

食べたゴーヤから育てた緑のゴーヤ。周囲の屋根がマッチして沖縄の雰囲気。

ゴーヤ三兄弟

ほうとう鍋に入れました♪

白いゴーヤ琉球の白い雪と緑のゴーヤ、黄色いパプリカとミニトマト。手作り。

毎日毎日避難先の窓辺に花を咲かせる希望の光、朝顔バイオレット。もう800越えだ!
1000まで咲いたら凄いだろうな。

ようやく咲き始めたブルースカイ。こちらも元気付けてくれると思う。

近くのガーデナーの庭に咲くカンナ。

そしてヒマワリが良い夏の雰囲気を出している。

白い雲と青い空。夏と秋の闘いの景色か・・・。




エレガントな香りの白い花。名前はわからない。

夏に気合だ!


神輿が神社に集結。その数10。
担ぐ神輿に東北の被災地の復興の願いが込められた。
がんばろう東北!がんばろう日本!

夜祭。


夏はまだ去っていない。
少しずつ秋が忍び寄ってるけど。