原発避難89 ~警戒区域のヤマメ、イワナたち③ ― 2012/04/20 18:07
ジョギングで走り始めると頭の中の世界が変わるように。
走り始めるといろんなことが心を過ぎり始める。仕事のこと、家族のこと、裏切られたこと、これからの楽しみごととか。釣りも同じだ。
渓に降り立つとそこには流れがある。静かな清らかな流れ。
渓魚たちはそういう環境じゃないと生きることができない。
ヤマメやイワナが遊びに来てくれないときに、いろんなことが心を過ぎり始める。目の前の流れはそれをゆっくりと流してくれる。
ときどき休みを入れ心を軽くしながら一つ上のポイントへ向かう。
魚が出るのを期待しながら川の流れの筋に毛ばりを落としていく。
その度に頭の中に浮かんできたいやな思い出が流される。
重い思い出を流すには釣りはいい。
帰省して少ないチャンスに訪れた故郷のいつもの川は特別だった。人に会うこともめったにないし、なじみの場所でナチュラルに自然に溶け込むことができる。気になるのは魚の気配、獣の気配、風のざわめき。
恐れていたことが現実になった。
希望はなかなか叶えられない。恐れていることは直ぐにいとも簡単に現実になる。
心にあるその希望の川を辿る。
2006年
2007年

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