原発避難160 「秋の一時帰宅 2015年11月」2015/11/06 23:54

今月11月1日(日)に神奈川・横浜から福島の浜通りの自宅へ一泊二日で一時帰宅して来ました。
https://youtu.be/znPkq9mlfVE   (動画です。)

当日は1日を通して快晴、翌日は天気が崩れた雨になりましたので助かりました。

この地図の右手、浜通り地方の中部に故郷、自宅がある町があります。そして隣町にはあの過酷事故事故のあった東電福島第一発電所があります。距離にして10キロ。

自宅へは昼過ぎに到着。
青空が綺麗!

無事帰る!♪ どうだんつつじの紅葉の赤が綺麗。

夏椿が紅葉の盛りでした。

山茶花の花がたけなわでした。

自宅回りは除染作業中(当日は作業は行われていませんでした。)で、田畑や庭のほとんどが雑草や表面の土が剥ぎ取られ綺麗になっていました。



ビニールハウスの風で破れていたビニールは取り除かれ、雑草も取り除かれ、いつでも耕して苗を植えても良いように見えましたが・・。

退職記念に植えた白樺は家の主がいなくても元気に大きくなっていました。

親指ほどの太さで3メートルくらいしかなかったのに、いないうちに一人で太く大きくなったね。自然は強く逞しい!

2011年3月11日14時46分、地球が狂いまくった地震で灯篭が倒れました。あのときここにいてこの日午前中に行方不明だった愛猫らくらくが近所で見つかり弔っていました。

愛猫にあいさつ。ただいま♪ 除染作業でも残されて綺麗にしていただいていました。ありがとうございます。

菊の花も除去され残されていました。残って生きているものが心の支えになります。

庭では紅葉の盛りでした。ハナミズキ。


退職記念樹のナナカマド。葉っぱはほとんど落ちていました。


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持って行ったコンビニのおにぎりやカップ麺で昼食を済ませた後、先祖と今夏亡くなった伯父の墓参りをしました。花を供えるだけで、火事にならないように線香は禁じられています。愛猫のお墓にもただいま!を言いました。

お寺の境内にある大きな大きなイチョウの木。よくこの木の下で遊びました。
落ちている実が臭かったです。

 墓地からの眺め。近所の住宅が見渡せます。私の原点の風景。


裏山の中も見てきました。鳥の巣箱が壊れていました。

 湧き水の池には落ち葉が沢山堆積していました。水面が一度揺れました。まだイワナが生きているのかもしれません。でも姿を確認できませんでした。

家に戻り手分けして家中の掃除機がけをしました(電気は使える。)。震災で壊れた物や雨漏りで汚れたもの、余震で壊れたガラス家財、ネズミにかじられた物などまだまだ片付きません。町内放送が一時帰宅の制限時間があと30分であることを告げています(町への出入りは自由ですが自宅への宿泊は不可)。自分の部屋に行き、鳥や植物の図鑑と釣り道具をバタバタと探しました。部屋にいた時間は10分もありませんでした。

部屋に光と新鮮な空気を入れました。

作ったばかりのこの部屋にはネズミは入っていません。食い荒らされたりしていないのが救いです。部屋の中はあの3.11の揺れと余震、そして4年8ヶ月片付けられないままになっています。

避難先での散歩を楽しむために今回は鳥や植物の図鑑を持ってきました。

ついでに十数年も使っていなかった竿とリールも。フライばかりでルアーの釣りはやっていませんでした。

自宅二階から南側を見ると東電福島第二原発(稼動停止中)の排気塔が見えます。
4基の原発があります。

柿の木は実も葉っぱもありませんでした。自然に?除染作業でそうなったのかな?

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 町から出る前に海岸の方を見て帰ろう!ということになり急いで車を走らせま...した。
母の実家のある海岸地区は津波に流された残念な場所。更地になっていたその場所には放射能汚染物質の焼却処分するための巨大な施設が作られ稼働、白い煙を煙突から出していました。海への視界は遮断されてしまいました!

そしてその北側一帯(津波に流された常磐線の駅の東側)には放射能汚染物質が入った無数の不気味な黒い袋が山積みされていました。正に異常な世界。変わり果てた町の姿がありました。何時になったら故郷は復興、再生するのだろうか・・・。





津波被害を受けた海岸付近のホテルは原発過酷事故で長く立ち入り禁止になっていたため解体されずにありました。瓦礫も山積み。


最後の最後に、海を見て、浜風に当たりたいからと自分だけ車から降りました。実に震災のあったあの年から4年8ヶ月ぶりでした。海は穏やかで懐かしい磯の香りがしました。


そして目と鼻の先には再稼働の可能性が囁かれている東電の福島第二原発(避難住民としてはあり得ない話!!)と海上には波の力を利用した発電設備が浮かんでいるという象徴的な光景がありました。

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この日はいわき市の山間にある宿にお世話になり一時帰宅の疲れを取りました。


翌朝食事の前に少し散歩をして新鮮な空気と景色を楽しみました。

紅葉が進んでいました。

川の流れに癒されました。


次の一時帰宅は来年、春が来てからになるでしょう。
それまで皆頑張って元気でいたいです。