原発避難162「5年半後の秋の一時帰宅」 2016年10月上旬2016/10/05 00:31

10月の初日、土日に家族で6か月ぶりに福島の自宅へ一時帰宅して来ました。
朝8時、神奈川は小雨の混じる曇り空でした。東京も同じ。常磐道を北上しても同じ感じでしたが、福島に入ると天気は良くなって行きました。

福島の自宅に到着したのは12時頃でした。空は秋晴れでした。
原発事故避難からもう5年半も経っていて流石に電気や町の水道は使えます。トイレも水を流せて使えます。いわき市に避難している従弟が宮城の亘理での釣りの帰りに寄ってくれましたので一緒に、サービスエリアやコンビニ(近所のコンビニは今年の4月から営業を再開しています。)で買ったおにぎりやみそ汁などで昼食を摂りました。
部屋の掃除もガンガンしなくて済みます。軽く掃き掃除などをしました。本格的な片付けは来年の春以降帰還してからになるでしょう。

今まで帰宅してもバタバタしてろくに自分の部屋を見に行かなかった母を連れて行って見て貰いました。想像だけで色々話すことが多かったので、結構片付いている様子にほっとしていました。

自分は庭の梅の木の下にある愛猫らくらくのお墓に、帰って来たよと挨拶しました。庭は従弟の方に時々手入れをして頂いていていますが、草は結構生えていました。
金木犀やシュウメイギク秋の花が福島でも関東と同じように咲いていました。サルスベリや彼岸花もまだ咲き残っていました。
除染作業が行われて綺麗になっていた田んぼや畑はまた草に覆われていました。
昼食後一息入れて皆で先祖の墓参りに行きました。母は墓地への階段を上がって行けないので残りましたが、米寿の父は頑張って我が家の墓のある高い所まで上がって行きました。我々でも息が上がるのに大したものです。毎日散歩をやっているからなんでしょうね。

故郷の穏やかな風景が墓地から眺めることができました。東電の福島第二発電所も眼前に見えました。第二も相当やばかったのです。危機一髪で爆発事故を回避できたのです。もし爆発していたら一生自宅には帰れなかったでしょう。

一時帰宅の時間は午後3時から4時まで延長されていましたので、いつもより余裕を持って過ごすことができました。
自分の部屋の椅子に腰かけて10分くらい部屋を眺めたり目を閉じたりしました。今回は何も持って帰りませんでした。

避難指示が全面解除される来年は本格的に帰宅の準備に入ることになるのかな・・・
町にコンビニ1軒しかないけど暮らして行けるんだろうか・・・
病院はどうなるんだろう・・・安心安全に住める環境は整っているんだろうか・・・
お隣さんは軒並みに家を壊したり、帰還をあきらめて移住してしまって還って来ない家が多いので相当に寂しいだろう・・・
来年は本当にどうなるんだろう・・・

4時前に家を後にしていわき市の山の中の温泉宿に向かいました。
さり気ない気づかいがあり心が落ち着く宿で温泉に浸かり美味しい料理を楽しまさせていただきました。
翌朝、天気が良かったので朝風呂に入った後朝食前に宿の前の川岸の道路を散歩しました。カワセミがいそうな雰囲気・・・見れないかな・・・・すると突然カワセミが目の前の川の対岸に現れました。何度も何度もダイビングをして魚を獲っていました。ラッキーでした。宿の女将さんに話したらヤマセミも宿の前の川で見れるそうです。そうだったんだ・・♫ またこの宿に来る楽しみが増えました。避難指示が解除されるのでそう何度も来るチャンスは無さげでしょうけど。

朝9時に出発して渋滞もなく順調に神奈川に帰宅することができました。愛猫のびのびが留守番して家族の帰りを待っていてくれました。皆で昼食を摂りながら慰労と反省会を行いました。
お疲れ様でした。ありがとうございました。


↓動画です。

東京スカイツリー


利根川

最初の100円でゲットできました。超ラッキー!

去年秋避難指示が解除されて帰還が始まっている隣町ではまだまだ汚染物質が田畑にいっぱい積まれたまま。

アユやサケで有名な木戸川

自分が良く上流で釣りを楽しんでいた井出川

今年の4月に営業を再開した近所のコンビニは賑わっていました。

品揃えは全国のコンビニと同じです。

やはりスーパーに売っているような野菜や肉や魚は入手できないですね。

故郷の景色がよそよそしくなっています。

自宅の庭の金木犀は満開で良い香りを放っていました。

小さな可愛いツユクサが福島にもありました。

倒れていた石灯篭もちゃんと立っています。

愛猫らくらくにお土産を持ってきました。やすらかに。

庭の雑草がミズヒキ

ピンクのシュウメイギク

白のシュウメイギク

ムラサキシキブ

色んなものが地震と時を経て形を壊しています。

8年前に退職記念に植えた白樺が太く大きくなっています。最初は親指ほどの太さだったんです。

2メートルくらいだったのが今は20メートルくらいになってます。

この白樺は父が草刈り機で地面から20センチほどのところで切り落としてしまったのが、脇から枝が出て大きくなっています。驚きです。

彼岸花がまだ咲いていて嬉しかったです。

短い草に覆われた除染後の田んぼ

庭には背の高い草が伸び放題

千両  線量じゃないです。

これも退職記念樹のナナカマド
見れないけどこれから真っ赤に紅葉するんでしょうね。

親子カエル

甘柿がなっていました。食べたいです。



小さいツユクサ

避難後初めてトイレを使えました。水が流せます。

部屋のラックの中断からはCDが落ちました。上と下は大丈夫で・・どういうあれなんでしょうね。

5年間年に3度くらい帰ってるのに片付ける時間もないし気もありません。

壊れないようにカワセミの木彫りは置いてあります。

ガラス戸の中では転がったり位置がずれたりしてますが棚が倒れない限り大丈夫です。

散乱したものは片付けていません。

自分の部屋で暫し一息つきました。ほんの数分でもそうしようと思いました。

この地図があったらもっと良い釣りができたかもしれません(^^;

どこに何がいるか書いてあります。釣り場所を見つける目安にはなりますね。

カレンダーはあの年のあの月のまま。

町の水道水

お湯を使って昼食の準備

コンビニの味噌汁は具沢山でとても美味しかったです。毎日食べ続けるのはどうかと思うけど。 サービスエリアの燻製卵美味しいです。

自宅の甘柿の木はまだ聳えています。

二階のベランダからは太平洋が少しだけ見えます。あの日の大津波も見えたんでしょうけど大きな揺れで家の中には居られませんでした。

福島の青い空

まだ咲いているサルスベリ

ガマズミ

イワナやヤマメを入れていた池も落ち葉で埋まってしまっています。
魚の姿はありませんでした。震災後2年くらいはイワナが出迎えてくれていましたが・・。

お寺の階段の銀杏  臭いです。

墓地からの眺め 奥の送電線は東電の福島第二発電所へ行っています。1キロ先です。

自分が藪払いをして綺麗にしていた森、小鳥を楽しんでいました。その直後震災があって立ち入ることはできなくなりました。不思議と比較的荒れていません。

退職記念樹のリンゴの木のひとつ。この木はまだ生きていますが、相方のもう1本は枯れてしまいました。日当たりの良い所じゃないと育ちませんね。

ビニールハウスの中に自然に生えてしまったイチョウがあります。種から育って急速に成長しているみたいです。

ハマナスだと思うだけど凄く大きくなってます。花が咲いているのかな?

庭の木は密になってます。

これも隣町の除染作業で出た物質の保管場所です。大量です。

ススキが綺麗でした。

いわきの温泉宿付近の夕暮れ

温泉に入って乾杯しました。

今回は完食できました!

いつもアユが美味しいんです。楽しみにしています。

翌朝晴れました。

宿の前を静かに流れる川

朝風呂の後散歩を楽しみました。

いないかな・・?と思っていたカワセミが突然目の前に現れました♫

女将さんの話ではヤマセミも訪れるそうです(^^♪ 一度もヤマセミには会っていないので見てみたいです。

どこに行っても水の流れには敏感です。

野草を見ると心が和みます。

新鮮なツユクサ ミッキーもいました。

いつも充実の朝食 サクラシメジの料理がありました。 

女将さんが山で採ってきたセンボンシメジの味噌汁。美味しかったです!

これがセンボンシメジ

お留守番していた愛猫のびのびが迎えてくれました。お疲れさん(^^♪

ありがとう。乾杯!