白鳥たちが鳴いてる(8)~ラスト2013/01/15 21:22

白鳥たちが鳴いてる・・・
もこれが最後です。

2010年10月

あの日へのカウントダウンが始まっています。
2011.3.11東日本大震災。
愛猫らくらくの命。


庭や田んぼで遊ぶ らくらく と のびのび。



元気な新参者にとまどうのびのび。オレは先輩。



若武者に成長したらくらく。



2010年10月23日朝


寒い朝、紅葉川に行ってみた。


ひとつのグループが飛来していた。


橋の上、上流に彼らは憩っていた。




はしゃいでいるのかな・・・けんかかな・・・。










ワルツを踊っているよう。




羽を休めている。







シベリアからの長い旅ご苦労さん。


付近の人家に咲いていたコスモス。






打ち寄せる波は勢いがあった。気温と海水温の差で湯煙が上がっている。


2010年12月21日
午前

海は荒れていた。奥に見えるのは東電福島第二原発防波堤。


青松にとまるサギ。


餌を探す白鷺と白鳥。


仲良し。










争う相手もなくのんびり。


鴨ものんびり。


ところが・・餌が来るともう・・・・。


鴨と白鳥の間で争奪戦。


鴨の圧勝!


のんびりした里川、里山でした。



年が変わって・・・・・・



2011年2月20日
午前
震災前最後に見た白鳥たち。

まだ白鳥たちが残っていました。




鴨も白鳥も少ない。


ひと家族かな。


白鳥は七羽。




シベリアに帰るタイミングを見計らっているのかな・・。






福島の早い春が名残惜しそう。


太平洋も静かな日だった。



鳥インフルエンザ防止の影響もあってか白鳥に会いに訪れる人もあまり見かけなくなり、
白鳥も来ているのか、いないのかという状況になっていた。
紅葉川河口は護岸工事が進み浜街道延伸のための架橋工事が行われていた。


この後家族の重篤な病気での緊急入院やいわき市の病院への見舞いでバタバタした毎日。
強い地震の頻発、
愛猫らくらくの行方不明と続いた日々。

そして3・11・・・。
その日の朝、らくらくは帰らぬ姿で見つかった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



2011年3月11日午後地獄のような地震、津波に襲われた。
そして
東電福島第一原発の過酷事故。




もうこの景色の中に立ち入ることができない。

戻りたくても戻れない人もいる。
諦めた人もいる。
二度と生きて故郷の土を踏めなくなった方もいる。

皆景色から遠ざけられた。

近くの里山、里川の見慣れた美しい景色。
それは一瞬一瞬のつながりだということを教えられる。
いつ終わってもおかしくない。
まさに一期一会。


この景色はもう
記憶と記録の中にしか
ない。

白鳥たちの鳴声はもう聞こえない。

来て笑顔をくれた白鳥たちにありがとうと言いたい。




コメント

_ あこ ― 2013/01/15 23:04

紅葉川の白鳥の写真、ありがとうございました。懐かしく見させていただきました。

「あの日へのカウントダウン」という言葉にドキッとしました。本当に誰一人として、こんな残酷な現実は想像していませんでした。
仮の町・・。行きたくないなぁ。あの海・あの空・あの川・あの山があるあの町ならいいですけど。
将来の生活拠点をどこにするか悩みます。富岡に戻れるものなら戻りたいですが。大丈夫なのでしょうか・・・。

_ hamanobi ― 2013/01/16 00:14

> あこ さん
私も富岡でやりはじめたこと、やり残したことがあります。死ぬまで住んでいたかったんですけど。
本当に身近な人たちでさえ私達があの町から逃げている現実、苦難、未来がどうなるのかという不安を共有してもらえません。我々を被害者、あちら側の人たちと思っているようです。本当はひとりひとりなんですけどね。しょうがないです我々じゃないんですから。
このままいくと間違いないのは私達が居住と居住制限の瀬戸際、生きる最前線になることです。楢葉や周辺の地域と比べてどうなのかとかよく考える必要があります。
いずれにしても線量の問題と、水道とかのライフラインの復旧や安全が先ですね。納得の行く補償もないまま実験材料だけにはされたくないですね。不安な帰還に積極的にはとてもなれません。
F1の収束の進捗やF2の再稼動も怪しいし、安心材料がありません。失ったものは大きすぎます。

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